実はこっそり買っていました。DS『A列車で行こうDS』。A列車シリーズが大好きなので、避けては通れない道でした。PCの画面を前提に作られてきたA列車シリーズが、DSの小さな画面に収まってしまって、果たしてどうなのか。
答。超快適。
レスポンスが早いのですよ、何をするにしても。で、タッチペン操作が思ってた以上に快適です。グラフィックは懐かしい『A列車で行こう4』調。さすがに『A7』ほどまではいきませんが、十分な出来です。
A列車シリーズがどういうゲームか知らない方のために、簡単に、どういうゲームなのかを説明しますと。
- 自分は鉄道会社の社長。鉄道を引いて電車を走らせ、その売り上げで会社を大きくするのが目的です。
- 最初は電車だけだけど、バス・運送トラック・新幹線・リニア・空港・運送船など、色々手広くなっていきます。
- 交通網の発達に伴って、街が開発されていきます。そこで、住宅販売・商業施設・娯楽施設・工業施設運営などの子会社を設立し、交通と街、相互の発展を形成する会社になっていきます。
とまぁ、一言で言えば街の開発ゲームです。
街の開発ゲームで言えば『シムシティ』が有名ですが、シムシティとA列車はだいぶ違います。
- プレイヤーの立場
- シムシティでは、自分=市長。A列車では、自分=社長。これ、結構大きな違いなんです。なぜかと言うと……
- 収入源・その1
- シムシティは、収入源が市の税金です。なので、お金が足りなくなったら増税して収入を増やすことができます。しかし、A列車ではあくまでも会社。基本、電車の運賃収入だけでやりくりしないといけません。勝手に運賃を上げることはできませんから、よくよく先を見通した経営が求められます。
- 税金
- シムシティでは、税金は、自分が市長ですから徴収する側。しかし、A列車では自分はただの企業社長。徴収される側です。鉄道で上げた売上税はもちろん、駅や線路、子会社の占める土地に対する固定資産税も年々徴収されていくのです。オー!ゴッド!厳しい!
- 街の建物
- シムシティで街に作れる建物は、警察や消防署、病院などの公共施設のみ。ですが、A列車はマンションにコンビニ・スーパー、オフィスビルや映画館、果ては劇場や水族館、展示場など数えきれないくらいの施設を建てられます。もちろん、各施設からの子会社収入を得ることもできます。
- 収入源・その2
- A列車には、自分が企業社長である利点が幾つかあります。例えば、銀行からの資金借り入れができる、とか。証券会社と繋がりが持てれば、株式投資で資産を増やすことも可能です。株は、特定銘柄について大口の株主になれば、株主優待を受けることもできます。電力会社の大口株主になって電車操業のための電気代を割引してもらうとか、自動車会社の大口株主になってバス・トラックの製造料を安くしてもらうとか。市長がこんなことすると企業癒着になって犯罪ですが、一企業の社長ですから、そんなの関係ありません。
- 求められるもの
- シムシティの市長に求められるのは、市民のことを考えた施策。その度合いが「支持率」となって現れます。一方、A列車の場合は社長ではなく、企業の姿が求められます。即ち、「ブランド力」です。ブランド力は、TVコマーシャルを打ったり、様々なキャンペーンを行ったりして少しずつ向上させていかないといけません。税金下げたら即支持率アップする市長とは、わけが違うのです。
- 味方
- シムシティの市長には、アドバイザーという味方がついています。ゆうなれば、有識者、ってやつでしょうか。一方、A列車には社長秘書やら営業部長やら、会社的なメンバーが周囲に揃います。社員の生活を守るため、福利厚生の見直しや、社員旅行の計画、臨時ボーナスの支給など、考えることが色々あるのです。
いろいろ書きましたが、僕はシムシティもA列車も大好きなので、誤解はしないようお願いします。
まとめます。「A列車の方が、遥かに面倒くさいゲーム」です。数字が凄く大事なゲームなのです。まさかDSに、黙々と部門ごとの売上報告書やバランスシートを見て、「うぅ……今期の未払い税は結構大きいな……」とか「剰余金がやばい。今期配当無しになっちゃう」とか真剣に悩むゲームが現れる日が来るなんて。ちなみに、難しい表とかは項目ごとにタッチすると「どういうお金なのか」ってのを説明してくれるヘルプ機能が付いています。会社経営の仕組みを勉強するのに、ちょっといいかも?
しっかり儲ければ株式上場して公募増資できたり、電車やバス、トラックの車両開発もできるようになったりと、できることがこれまでのA列車で一番増えていてやり込み度は抜群です。しかも、物凄く良く出来たチュートリアルが付いているので、自然と一つ一つの機能を覚えていけるようになっています。素晴らしい。
あと、忘れてはいけないのがスリープモード。鉄道経営は時間がかかるものですが、DSを閉じて、スリープ状態にしたままでも時間が進むようにすることができるのです。一通りの指示を出したらスリープモードにして、しばらく放置。1年ほど経った辺りでまた開いて、報告を一通り読んで、次の戦略を練る……。じっくり遊ぶことを考えられた作りに、非常に好感が持てます。
惜しむらくは、登場するキャラクターの立ち絵がショボいこと。どんだけデッサン狂ってるんだ、これ。表情変えると髪の毛の生え方まで変わるトンデモない駄目絵ですが、所詮はただのキャラの板、と見ないことにすれば問題解決。
DS『シムシティDS』とは一味違った、骨のある鉄道会社経営ゲーム。箱庭好きの方にはお勧めです。